髪とお肌は弱酸性だと言われています。弱酸性とは弱い酸性という意味です。

このような酸性やアルカリ性は、「pH」というもので判別しています。

例えば髪の毛 pH は、多くは 4.5 から 5.5 ぐらいの間で、これぐらいの値を「弱酸性」と言います。

pH は 7 が中性で、それより低い値を酸性、高い値をアルカリ性となっているのですが、そもそも、この pH とは何でしょう?

今回は、その pH についてのお話です。

pH(水素イオン指数)とは

pH とは「ピーエッチ」や「ペーハー」と読み、水素イオン指数(または水素イオン濃度指数)を表す記号で、その由来は諸説あります(参考リンク)。

この「水素イオン指数」という言葉が表しますように、水素イオンの濃度を表す指数のことです。

指数とは、ある数字が a としたときの n 乗( an )で表される時の、右上にある n のことです。

では、「水素イオンの指数」とは何でしょう?

それにはまずは水の分子について説明しなくてはいけません。

水の分子

例えば、コップに一杯(180ml)の水を入れ、それを半分にしたとします。

そして、その半分の水を半分、また半分と、どんどん半分にしていきます。

この作業を繰り返していくと、80回ほどで「もうこれ以上は分けられない」という状態になります。

この「これ以上分けられ状態」が分子です。つまり、上記の「もうこれ以上分けられない水」は、「水の分子」といえます。

水素( H )と酸素( O )

ここからは水の分子を、化学の式で表したほうが説明しやすいので、その式を書きます。

水分子の化学式は H2O と書きます。

この H や O は原子を表す記号(原子記号)で、H は水素、O は酸素です。

つまり水は、水素と酸素が 2 : 1 の割合で化学的に結合している化合物だと言えるのです。

水素イオン( H+ )と水酸化物イオン( OH-

さきほど水の分子の話をしましたが、この水の分子は10000000(一千万)分に1個の割合で二つに分かれているのです。

いったいどんなふうに分かれているかと言えば、イオンです。

つまり、10000000分の1の割合で、水の分子は2つのイオンに分かれているのです。

イオンとは、原子が正や負の電気の性質を持つことで、水の分子は H+(水素イオン)OH-(水酸化物イオン)という2つのイオンに分かれます。

つまり水は、10000000分の1の割合で H+ と OH- の2つのイオンがあるのです。

水素イオン指数

上記の割合は、不純物がない純粋な水(純水)のときの状態です。ですが、水はいろいろ溶かして混ぜることができます。

例えば塩です。塩は科学的に言えば塩化ナトリウムと言います。化学式は NaCl です。

この塩は、水にすごく良く溶けます。なぜ溶けるかと言えば、水中でイオン化するからです。

つまり塩は、水中では Na+(ナトリウムイオン)と Cl-(塩化物イオン)に分かれるのです。

このように水に溶けてイオン化する化合物があるのですが、その中には水に溶けると H+や OH- になるものがあるのです。

このような化合物が水に溶けると、水中の H+や OH- の量が変化します。

そのイオンの量の割合を数値化したもが、水素イオン指数なのです。

この数値は水中の水素イオン( H+ )の濃度を基準にしています。

水素イオンの量が多ければ酸性、少なければアルカリ性です。

ちなみに H+(水素イオン)と OH-(水酸化物イオン)の総数は一定で、どちらかが増えばどちらかが減るという法則になっています。

つまり酸性なら H+(水素イオン)が多くて OH-(水酸化物イオン)は少なく、アルカリ性なら OH-(水酸化物イオン)が多くて H+(水素イオン)が少なくなっています。

H+(水素イオン)と OH-(水酸化物イオン)のどちらも均等にある真ん中は、水中に同じ10000000分の1の割合で存在します。これを 1/107 とし、その指数の 7 を中性としています。

以下に pH の値と、H+(水素イオン)と OH-(水酸化物イオン)との関係を表にしました。

pHH+OH-
001/1014
11/1011/1013
21/1021/1012
31/1031/1011
41/1041/1010
51/1051/109
61/1061/108
71/1071/107
81/1081/106
91/1091/105
101/10101/104
111/10111/103
121/10121/102
131/10131/101
141/10140

まとめ

以上が pH こと、水素イオン指数の話です。

要約すれば、pH とは水溶液中の水素イオン( H+ )の量です。

水素イオン、つまり H+ が多ければ多いほど酸性に傾きます。

逆に水酸化物イオン、つまり OH- が多ければ多いほどアルカリ性に偏り、H+ の量が減ります。

そして、どちらの量も同じぐらいなのが、中性です。

ちなみに pH は「水溶液中の水素イオンの量」なので、水に溶けていない肌や髪の毛からは、実際は pH を計測できません

では、どこから肌や髪の毛の pH を測定しているかと言えば、肌(皮膚)をおおう皮脂膜や、水でぬらした髪の毛の表面や内側にある水分からです。

私たちが髪や肌の pH だと思っているものは、実は周りの環境の数値だったのです。