私たちにもっとも身近な化学反応と言われるもの、それが「酸化」です。
代表的なのは鉄が錆びて酸化鉄になる現象で、身近のものでは切ったリンゴの表面が変色する現象など。紙や木が燃えるのも酸化の一種です。
この酸化反応は、髪にも当然関係しているものがあります。
今回はその酸化が髪に関係している話を、まとめてました。
そもそも酸化て、なに?
そもそも酸化とは何でしょう?
酸化とは化学反応の1つで、ものすごく簡単に言うと酸素によって別の物質になる化学反応のことを言います。
この反応は電子と強く関係しています。酸素は電子を引きつける力が全元素中二番目に強く、その強さで他の分子から電子を奪います。そのため、「電子を失う化学反応」も酸化と言ったりします。
また、この酸素の力で他の分子にくっついている水素を奪い、水になる化学反応もあります。このような反応も「酸化」と言います。
このように昔は酸素と化合することが酸化だったのですが、今は酸素によって水素が取れたり、電子のを得る・失うという化学反応も酸化(正確には酸化還元反応)と言ったりします。
まとめますと、酸化という化学反応は、今の化学では次の3つのことを言います。
- 酸素がくっつく反応
- 水素が離れる反応
- 電子を奪う反応
ちなみに、酸化の逆で、対となる反応に「還元」があるのですが、上記の3つの逆の特徴を持っています。
そして、この説明からわかるように、アルカリ性をなくす(中和する)反応は酸化ではありません。
パーマと酸化
では、髪に酸化が関係している反応は何かと言えば、代表的なものは、理美容店で行っているパーマです。
パーマという技術は、そのほとんどで1剤と2剤という薬液を使います。1剤は還元剤と言われ、2剤は酸化剤と言われています。
実は髪の結合の一つシスチン結合(またはジスルフィド結語)は、システインが酸化して結合しています。
なので、1剤の還元剤で還元することで切断することができるのです。
その結合が切断された髪の毛を、ロッドなどに巻いた状態で再結合すると、その形のまま固定するのですが、その固定するのに使用するのが酸化剤です。
つまり「還元で切断した結合を、酸化で再び結合させる」という仕組みで
このパーマネントウェーブの理論は、道具や薬剤の品質は変わったのですが、仕組み的には実に80年近くも変わっていません。
ヘアカラーと酸化
パーマと同じように1剤と2剤と使うものにヘアカラーがあります。
これにはとうぜん酸化反応が関係していて
ヘアカラーでは、1剤の酸化染料剤が2剤の酸化剤で酸化されることで発色するだけでなく、髪色の元であるメラニン色素を酸化で破壊することで、髪そのものの色も明るくしています。
このヘアカラーで酸化染料を除き、髪色を明るくするためだけの薬剤がブリーチ剤です。
その他、髪と酸化
これら以外によく聞くのは活性酸素です。
活性酸素とは酸素分子がより反応性の高い化合物に変化したものの総称で、高い酸化能力があります。
上記のヘアカラーに書いているように、別の物質に変化させる酸化反応は、ある意味物質を破壊する反応です。
例えば、体の免疫細胞である白血球は、この酸化反応を利用して悪さをする細菌などを破壊(殺菌)ます。
この活性酸素は、体の老化に関係していると言われ、増えすぎると体内のさまざまな細胞を酸化したりし、その影響で白髪や薄毛など髪の老化につながる、などと言われているのです。
正直、活性酸素に関してはまだ分からない事が多く、研究もまだまだなのだそうです。
話によると、抗酸化作用がある食品(ビタミンCやビタミンE、ポリフェノールが豊富なもの)や、適度な運動、タバコやお酒をひかえる、そして「ストレスをためない」といった、よく言われていることを行うとよいと言われています。
あと活性酸素が増える要因として、ストレスも大きく関わっているようなので、この活性酸素のことは深く考えるとストレスになりかねません。
なので、あまり気にしないほうが良いかもしれませんね。