髪の毛にまつわる話や製品で、よく見聞きする言葉に「イオン」があります。

例えば、シャンプー剤で使われるアニオン界面活性剤のアニオンは「陰イオン」のことです。

同じようにコンディショナーやトリートメントで使われるカチオンは「陽イオン」。

ドライヤーに一時期はよく「マイナスイオン」という言葉が付いていましたし、ヘアマネキュアが染まる原理は「イオン結合」です。

このように、いろいろと出てくる「イオン」という言葉ですが、そもそもイオンとは何でしょう?

今回は髪の毛にも関わりが深い「イオン」についてのお話です。

イオンとは

イオンとは、ひとことで言えば「正または負の電気をもつ原子または分子1、もしくは原子団2」のことです。専門的に言えば電子の過剰あるいは欠損により電荷を帯びた原子または原子団のことです。

電気分解で陽極や陰極に引かれて動くことから。ギリシャ語の ion(移動)の名が付けられました。

このイオンを理解するには、原子電子といったものがポイントです。

原子と電子

原子とは「それ以上は分解できない、ごく小さなもの」というものです。あらゆる物質は全てこの原子の組み合わせで出来ていると言われています。

例えば、水は物質を元素(原子)の記号と数字で表した「化学式」で表すと H2O と書きますが、H は水素を表す記号で、O は酸素を表す記号です。つまり、水は水素原子2個と酸素原子1個からできています。

この原子は構造として「正の電気を帯びた原子核」と「負の電気を帯びた電子」がある、という構造になっています。

この電子の数は、原子核の中にあるプラスの電気を帯びた粒子(陽子)の数と同じ数だけあります。先ほどの水素なら電子の数は1個、酸素ならば電子の数は8個です。

イオン化

通常ならば、このプラスの電気の数と、マイナスの電気の数は同じです。

ですが、原子の種類によっては、この電子を失いやすいものや、受けとりやすいものがあります。

この電子の移動により原子や分子や原子団が、正や負といった電気的性質を持つようになるのです。これが電荷または荷電、もしくは「イオン化」と呼ばれる現象です。

つまり電子を失うと、マイナスの電気が減るので、相対的にプラスの電気の量が多くなります。その結果、正の電気的性質をもち、これが「陽イオン(カチオン)」と呼ばれるものです。

逆に、原子や原子団が電子を受け取ると、マイナスの数が増えるので、相対的にプラスの数が少なくなります。その結果、負の電気的性質をもちます。これが「陰イオン(アニオン)」です。

まとめ

このような現象で正や負といった電気の性質をもった原子や分子や原子団のことをイオンと呼びます

イオンは電気的な特徴をもちますので正の特徴を持つ陽イオンと、負の特徴をもつ陰イオンとはお互いに引きつけ合い、条件によっては結合します。それを利用したのが、ヘアマニキュアの染色で使われる「イオン結合」です。

イオンは髪に関したことだけでなく、実際は生活のいろんな所で耳にします。

中には、いかにもアヤシイものにも「イオン」という言葉は使われます。ちゃんと理解して見定めたいところです。


  1. 水(H2O)のように2つ以上の原子からできていて、電気的に中性(正でも負でもない)のもの。 ↩︎

  2. 原子の集まりで、分子のように安定した存在でないもの。分子の中の部分的な構造もので、「~基」などと呼ばれるもの。 ↩︎