残留アルカリ。または残存アルカリとも、アルカリ残留とも言われているものがあります。

髪は弱酸性の状態がよく、アルカリ性は良くない。

そんなアルカリ性の成分が毛髪内に残ってしまうのが「残留アルカリ」。

そのアルカリのせいで、髪のダメージが進行してしまう!

そんな話、聞いたことがありませんか?

今回はそんな、残留アルカリについてのお話をしたいと思います。

残留アルカリによるダメージ

残留アルカリとは、髪の毛内部にアルカリ性に傾ける物質(アルカリ)が残ること。

これがあると、弱酸性の状態がいい髪の毛が、ダメージを受けやすいアルカリ性の状態が続くことになります。

そのアルカリ性に傾いた髪の毛が、アルカリによってダメージを受けるとしたら、下の2つが考えられます

  • 変性
  • 加水分解

「変性」とはタンパク質の構造が崩れて別の性質に変化することです。よく聞くものでは「タンパク質変性」です。

よくある例えなら、ゆでると固まる「ゆで卵」で、ゆで卵は、卵が熱によって変性し固くなったものです。また、中華料理のピータンは卵を灰などにふくまれたアルカリで変性させたもの。こちらは黒いゼリー状になります。

「加水分解」とは、物資が水と反応して分解する現象。身近なものでは油脂成分の乳化や鹸化けんか、つまり、石けんなどは加水分解の一種です。

また、アルカリと熱によってシスチン結合などに加水分解が起こり、結合が分解します。これらは生じてしまうと元の状態に戻るというのは、ほぼ不可能です。

自分の望まないカタチに変化させ、しかもそれが戻らないとなれば、それはヘアダメージだと言えるでしょう。

アルカリで変化する条件

このように聞いたら、アルカリは髪にダメージを与えるものだと思ってしまいます。

ですが、このアルカリによる変性や加水分解は、そう簡単には生じません。アルカリでも高めの pH か、高温の熱、それと基本、水分が必要です。

理美容店などでしたら薬液でアルカリ性の状態にして高温に熱せれますが、普通の生活でこのような状態になることは、ほぼありません。

まして髪に残る残留アルカリとなると、その pH はさらに低くなります。そして肝心の水分も、お風呂に入ったりしないと十分に得られません。

なので、残留アルカリだけなら、ヘアダメージを受ける可能性は非常に低いと言えます。

とはいえやはり、弱酸性がよい

このように残留アルカリだけなら、髪の毛のダメージにつながることはなさそうです。

とはいえ、髪にアルカリが残留している場合、水分をふくむと髪の毛がアルカリ性となり、髪の結合が通常より緩みます。

これは「ダメージを受けやすい状態」なのです。つまり、いつもと同じコトをしても、それが髪のダメージへとなりかねないのです。

例えば、ドライヤーやアイロンで、かなり高温の熱を一気に与えてしまうと、いつもは変性といったダメージはなくても、残留アルカリの影響で変性を起こすかもしれません。

それに弱酸性の状態が髪にとって1番いいのは事実。なので、やはり早く弱酸性に戻してあげたい所です。

髪の毛が大きくアルカリ性に傾くのはアルカリ性のヘアカラーや、アルカリ性が強いパーマや縮毛矯正などです。

あと弱アルカリ性のパーマや海水浴などでも弱アルカリ性に傾きますが、これらは弱いアルカリ性なので残留はあまり気にしなくていいかもしれません(それでも、早く戻したほうがいいとは言われています)。

これをいち早く弱酸性に戻したい場合は、アルカリオフなどのアルカリ除去剤が有効です。

特にカラーやパーマは、残留アルカリがシャンプーなどで自然になくなるまで、パーマで7日から10日間程度、アルカリへアカラーで14~20日間程度かかると言われています(諸説ありますが)。

しかも、このときのパーマやカラーで使用した還元剤や酸化剤までも残留していたりすると、髪の毛に悪さをすることもあります。

これらは、アルカリ性が低い(あるいはない)と悪さをしにくくなります。なので、アルカリ除去剤などがあれば、髪のダメージ対策にとって強い味方となるこは、間違いはないようです。

まとめ

ちなみに、残留アルカリをなくすのにシャンプーとかせずに、空気中の酸素で自然にゆっくり酸化や中和させたりする方法をたまに聞いたりします。

ですが、現在の毛髪化学では空気が毛髪内に入ることはないので、毛髪内部の物質が空気の酸素で酸化や中和をすることはありません(そもそも酸化と中和は違う化学反応です)。

さらにこれらの化学反応には水分がつきもの。つまり、乾いた状態なら残留アルカリが髪の毛に悪さをする可能性はほぼありませんし、空気の酸素などで自然となくなることもないのです。

その残留アルカリが髪から自然になくなったとしたら、それはシャワーなどで毛髪内部から徐々に出ていったためだと考えられます。