髪はとても硬く、硬いものでは銅線ぐらいの強度があります。

だからといって銅線のように曲げれば曲がったまま、ということにはなりません。ご存知のように髪は指で曲げれ簡単に曲がり、離せば元に戻ります。

さらに言えば、髪は引っ張れば伸び、離せば戻るゴムのような弾性も持っています。この弾性は強くて、約1.5倍伸びても切れません。この引っ張りに対する強さは鋼鉄に匹敵すると言われています。

このように髪の毛は「硬さ」を持ちながら「柔らかさ」と「しなやかさ」、そして「弾力」といった性質を持つ不思議な物質なのです。

このような性質が持てる秘密は、髪の構造にあります。

髪は三層構造

髪の構造はよく「のり巻き」に例えられ、のり・ご飯・具材の三層構造になっています。人によっては「のり」と「ご飯」だけの二層構造の場合もあります。

一番外側の「のり」の部分がキューティクルです。

そして、その下の「ご飯」の部分がコルテックス

中心の「具材」の部分はメデュラと言います。このメデュラは細い髪では途切れ途切れだったり、無かったりします。

その構造ごとの仕組みが、髪の特性を持たせてる

この構造がどう硬さ・柔らかさ・しなやかさ・弾力等に関係してくるかと言うと、キューティクルとコルテックスの構造上の仕組みが関与しています。

キューティクルの構造は小さく薄く平らで、そしてとても硬い片状のものが、層状にいっぱい重なっている構造です。イメージ的には魚のウロコ。RPG風に言えばスケイルメイル(うろこのよろい)のような感じです。

この構造のおかげで十分な硬さを持ちながら、自由に曲げれる柔らかさも持つことができるのです。

そして、しなやかさや弾力はコルテックスです。

こちらの部分は繊維状の細胞がびっしりつまっています。この細胞はとても強い弾力を持つ構造をしていて、その細胞同士の間には軟らかい物質で埋まっています。

つまりコルテックスは「軟らかい物質の中に、強い弾力ある細胞がいっぱい入っている」という構造をしています。

一つ一つの細胞の間は軟らかい物質ですので、細胞同士は柔軟に動けます。そして、その細胞自体は強い弾力を持つ細胞。曲げたり伸ばしたりしても元に戻ります。

これにより強い弾性としなやかさを持てるのです。

つまり髪が硬さや柔らかさ、しなやかさや弾性がある理由は

  • 表面は硬いウロコ状の鎧で、柔軟性を失うことなく頑丈さをキープ
  • 中身は軟らかいものに包まれた弾力ある細胞でぎっしり。しなやかに動け、切れにくい

このような構造をしてるからです。

このような物質は、なかなか無いと思います。髪の毛って、すごいですね。