毛穴周辺とそうでない部分とで決定的に違うのは、毛根と毛包の間にすき間があるかどうかということを以前の記事で書きました。

では、毛根と毛包の間にすき間が無い部分には一体何があるのかと言えば、このすき間の部分に「内毛根鞘(ないもうこんしょう)」と呼ばれる組織があります。

この内毛根鞘は「鞘(さや)」という字が付くように、毛根を刀としたらそれを鞘のように包んでいる組織があります。

そして、「内」と付くからには反対の「外」のもあり、この「外毛根鞘(がいもうこんしょう)」も毛根を鞘のように包んでいます。

このように毛根の周りには、いくつかの層が毛根を包むという構造をしています。今回はこの、毛根を包んでいる層についてのお話です。

毛根を包む、さまざまな層

この毛根を包むようにある層は前述のもの以外にもいくつかあります。これらは外側から結合組織性毛包、硝子膜(しょうしまく)、外毛根鞘、内毛根鞘となっています。

これらを外側から順番に紹介していきたいと思います。

真皮とつながってる『結合組織性毛包』

毛包は、皮膚内側の深さで言えば真皮まで到達していてます。ちなみに真皮とは、皮膚表面にある1番外側の組織(表皮)の内側にあって、皮膚の大部分を占めている組織です。ここにはコラーゲンやヒアルロン酸、神経や血管・リンパ管などがあります。

その真皮と毛包の境目、毛包から見て一番外側の層は真皮とつながっていて、それでいて真皮とは違う組織の層があります。その部分を「結合組織性毛包」と言います。

結合組織性毛包の「結合組織」とは、組織の伝統的な分類における4種類のうちの1種で、詳細に定義された分類ではなく、むしろ他組織に当てはまらない組織のことを言う言葉です。

この結合組織性毛包は真皮の延長線のような組織で、真皮と違って膠原こうげん線維(コラーゲン繊維)が多く存在しているそうです。

また、毛包の結合組織性毛包は真皮と同じと結合組織成分でできており、内側の成分は毛包・毛根をふくめて上皮性成分から出来ています。つまり、髪の毛と皮膚の成分は、どちらも同じ成分で出来ています。

真皮と表皮の間の幕『硝子膜』

「基底膜」とも言われ、皮膚では表皮と真皮の境目にある膜で、毛包では結合組織性毛包と外毛根鞘の境目にあります。

この膜は皮膚組織の延長線である結合組織性毛包と毛包とをつなげ、栄養や水分をスムーズに受け渡したり、情報や司令のやり取りなど、皮膚組織と毛包の橋渡しの役割をしています。

この硝子膜は、さきほどの結合組織性毛包と同じように毛包全体を包んでいますが、毛包の奥のほうでは毛乳頭と毛母細胞との境目に存在し、それら間での橋渡しの役割も行っています。

表皮とつながってる『外毛根鞘』

結合組織性毛包と隣接している層で、間に硝子膜を挟んでいます。

毛根側である内側は、内毛根鞘に隣接し、そして結合しています。

皮膚表面の毛穴付近(毛包漏斗部)では表皮、つまり頭皮など皮膚表面とつながっています。

髪の毛を固定する『内毛根鞘』

先ほどの外毛根鞘の内側に隣接してある組織で、細かく言えば外側からHenle (ヘレン)層、Huxley(ハックスレー)層、鞘小皮の三層に分けられます。

役割として外側は外毛根鞘と結合し、最内層の鞘小皮は髪の毛のキューティクルのウロコ状の表面とぴったり噛み合うように合致しています。

これによって毛髪は毛包にがっちり固定されています。

また内毛根鞘は皮膚表面に近づくにつれて変化し、角化していき、皮脂開口部がある辺りでがれ落ち、フケなどになって外部に排出されます。

ちなみに、髪が抜けたときにたまに付いている白い半透明の物質は、この部分です。

ネットなどでよく見かける、髪を強引に抜いたときに付いてくる白い半透明の物質もこの部分です。

ただし髪や毛を強引に抜く行為は、毛包炎(毛嚢炎もうのうえん)といったトラブルになりかねません。ご注意ください。

まとめ

上記のように二つの毛根鞘の役割は、髪の毛が簡単に抜けないように毛包に固定することだと言えます。

そして外毛根鞘は皮膚とつながっていますので、毛包の役割の一つとして毛髪を皮膚に固定するというのがあります。

今回ちょっと出てきましたが、この毛包の奥のには「毛乳頭」や「毛母細胞」というものがあります。これらの細胞は髪の毛を作り出すことに深く関係しています。