髪は水分を除けば、主にたんぱく質と脂質からできています。

このような成分を使って、毛穴の奥で作られていますので、その元となるもの、栄養が必要です。

そんな栄養素の中から、不足すると髪の成長に影響が出てしまいかねない栄養素をご紹介します。

たんぱく質

まず必要なのは、やはりたんぱく質です。髪の毛の大部分はタンパク質で、実に8割以上です。

たんぱく質のアミノ酸は髪にとってどれも必要な成分ですが、この中でも1番多いものでシスチン、次にグルタミン酸で、これら2つでたんぱく質全体の30%ほどの割合をしめています。あと、髪の毛の色を作るチロシンも気になる成分です。

厚生労働相が推奨している1日に必要なたんぱく質の量は成人男性で60グラム程度成人女性で50グラム程度です。

これは年齢や運動量によって大きく変わってきますが、基本的には一日三食きちんと食べていれば十分摂取できる量です。

ただし、偏った食生活や過度なダイエットなど、摂取量が極端に減ってしまうと、髪の毛や細く痩せてしまったり、薄毛や抜け毛の原因になることもあります。

シスチン・システイン(メチオニン)

髪の中で最も多いアミノ酸が「シスチン」です。

シスチンはシステイン(L-システイン)というアミノ酸が結合したものです。システインは非必須アミノ酸と言われ、体内で合成されるアミノ酸です。

そのシステインを作るのに必要なのがメチオニンです。こちらは必須アミノ酸です。

ちなみにメチオニンは硫黄原子を有するアミノ酸(含硫アミノ酸)なので、システイン・シスチンにも硫黄成分が含まれているのはそのため。

これらは多くの食品にふくまれていて、通常バランスよく食事していると不足することはありません。

あとシステイン生合成にはセリンも使います。こちらは非必須アミノ酸です。

グルタミン酸

うま味成分としても有名なグルタミン酸ですが、髪の毛の成分では二番目に多い成分です。

体内では他のアミノ酸などから合成されるので、よほどのことがない限り不足するといった心配はありません。

チロシン(フェニルアラニン)

髪の色を作るのに必要なアミノ酸がチロシンです。そのチロシンはフェニルアラニンという必須アミノ酸から合成されています。

これらは牛乳、卵、肉などの食品中のたんぱく質に多くふくまれていて、基本的には不足することはありません。

ちなみにですが、先細のシステインとチロシンは「準必須アミノ酸」とも言われることもあります。これは成長の早い乳幼児期では体内での合成量が追いつかず不足しやすいため、このように呼ばれることかあるそうです。

金属・ミネラル

髪の成分でたんぱく質(アミノ酸)以外では脂質と水分ですが、これらが不足することは考えにくいです。

ではたんぱく質だけ取っていれば大丈夫かと言えば、そうとも言えません。髪の生成には、ミネラルなどの金属成分も必要なのです。

金属などのミネラルは、バランスの良のい食事を心がけていると普通では不足したり過剰に取りすぎたりしません。ですが偏った食生活や、無理なダイエット、またサプリメントなどで摂取量を間違ったりすると不足したり取りすぎたりしますので、注意が必要です。

ちなみに、髪の毛は金属成分・ミネラルのとは結合しやすく、これらの成分の多くは、ごくごく微量ですが毛髪にふくまれています。

鉄、つまり鉄分は、血液中の赤血球(ヘモグロビン)を作るのに必要な成分です。

酸素を運ぶ重要な栄養素で、鉄分が不足し鉄欠乏症貧血などを発症すると、髪が細く薄くなるという報告も聞いています。

亜鉛

亜鉛も髪の毛の成分としてふくまれているだけでなく、髪の生成には必要な成分です。

一時期、薄毛治療には亜鉛が有効というふうに言われた時期がありますが、これは亜鉛欠乏症の症状で脱毛があるからです。

ですが、亜鉛不足で薄毛・脱毛になる可能性はありますが、亜鉛を十分取ったら薄毛や脱毛が改善されるということはありません。治るのは亜鉛欠乏症で生じている薄毛や脱毛だけです。

逆に亜鉛を過剰摂取しすぎてしまうと、薄毛や脱毛になるという話があります。通常の食事ではなかなか過剰摂取にはなりませんが、サプリなどを多量に摂取すると起こる可能性があります。

銅は細胞の酸化に深く関わって、メラニン色素を作るときに必要な酵素「チロシナーゼ(またはモノフェノールモノオキシゲナーゼ)」には銅が含まれています。皮をむいたり切ったりしたジャガイモの表面が黒くなるのは、この成分の影響です。

また、赤血球のヘモグロビンを合成するのに必要不可欠な元素で、不足すると貧血などをおこします。

銅はさまざまな食品に豊富に存在し、また必要量自体もそれほど多くないので、不足するこは基本ないそうです。ただし亜鉛の過剰摂取などで銅の摂取が阻害されることがあるそうです。

ビタミン

私たちの体には、ビタミンも必要です。ビタミンも基本的には全種類をバランス良く、適切な量を摂取することが望ましいです。

薄毛や脱毛に関係するビタミンで言えば、ビタミンAビタミンB郡およびビオチン(ビタミンB7)や葉酸(ビタミンM、またはビタミンB9)、ビタミンC,ビタミンEなどと言われています。またビタミンAなど脂溶性ビタミンの取りすぎも良くなく、ビタミンAの過剰摂取は脱毛を引きおこすことがあると言われています。

また、ビタミンB12やビオチン、葉酸などビタミンB郡の一部は、腸内の腸内細菌によって合成しています。つまり腸内環境(腸内フローラ)も体や髪の健康に影響していると言えます。

まとめ

髪に必要な栄養素については以上です。結局のところ健康的な髪の毛を育てるにはバランスの良い食事が1番です。

現代社会、特に日本では、一般的な食生活において、これら栄養分が不足することはないと思います。おそらく、どちらかと言えば取りすぎているほうだと思います。

ですが、朝・昼・晩とちゃんと三食とっていても、極端な偏食や、激しい運動と過剰な食事制限などを行う無理なダイエット、その他仕事やストレスなどさまざまな要因で、これれ摂取する栄養素が偏ったり足りなくなったりすることもあります。これもまた、現代社会ならではと言うべきでしょうか。

このように、日頃の食事だけで必要量の栄養素を取りにくい場合は、サプリメントなどを使うのは有効だと思います。手軽に足りない栄養素を摂取できるサプリメントは、非常に便利です。

ですが、手軽さゆえに取りすぎて過剰摂取の危険性もあります。亜鉛の過剰摂取のように、髪の毛および健康に影響が出ることもあるのです。

使用するときには一日の摂取量などを充分理解してお使いいただきますよう、お願いいたします。