当サイトでは何回かに分けて、皮膚の中にある髪の毛、毛根の構造についての話をしています。

今回はその中で、まだ紹介していないけど、知っておいて損はない組織をご紹介したいと思います。

本来はこれら以外にもいろいろあるのですが、次の3つは、今注目されていたり、または身近に実感できる組織や機能です。

注目の領域『毛隆起(バルジ)』

外毛根さやの皮脂腺がある部分の少し下辺りに、外毛根鞘の一部分が隆起している部分があります。その部分は「毛隆起」または「バルジ領域」と言われています。

ちなみにバルジ(bulge)とは「ふくらんでいる部分」という意味です。

近年この部分には毛母細胞やメラニン細胞の元となる幹細胞があることが発見されています。これは、毛髪の生え変わるヘアサイクルにおいて新しい毛母細胞やメラニン細胞を作り出す元となる細胞で、育毛や脱毛において注目されている部分です。

また毛隆起から皮脂腺の下までの間を毛峡部や毛包峡部などと呼ぶこともあります。また、そこより下を下半部や毛包下部などと呼ぶ場合があり、組織を区分するときの基準点としても使われていることがあります。

鳥肌を立たせる筋肉『立毛筋』

毛包には外毛根鞘と真皮上層の間に斜めに配置されている筋肉があり、これを立毛筋または起毛筋と言います。

この立毛筋は毛包側は先ほどの毛隆起と結合していて、「立毛」という言葉通り普段は斜めに生えている毛髪を寒さや恐怖、驚きなどを感じると立毛筋が縮み、毛髪をまっすぐに立たせる機能があります。

このとき毛が起き上がることで毛穴(毛孔)が少しもり上がり穴をふさぎます。これが鳥肌という現象です。

この機能によって、体表面を覆う空気の層を厚くすることができ、なおかつ毛孔(毛穴)からの放熱を、閉じることで抑えることができます。これにより保温性を高め、体温を守る効果を高めます。

ただし、人間の場合は体毛がかなり退化しているため、「空気の層を厚くする効果」はあまり期待できません。

また、立毛筋には、それが縮むことにより真上にある皮脂腺を圧迫し、これにより皮脂を押し出す機能があると言われています。

髪の動きを感じる『毛包受容器』

毛包の周辺には毛細血管や神経も豊富に存在し、毛包や毛根に栄養素やホルモンなどを運んだり、情報のやり取りなどをしています。

その中で神経細胞は柵状になっていて、毛包に巻きつくようにあるのですが、この一連の構造によって髪の毛は優れた感覚器官としても機能しています。

この感覚を感知する器官を毛包受容器と言います。

これにより髪の毛の傾きや動きといった変化を、感覚として感じることができるのです。

まとめ

これらの組織は「鳥肌」や「髪の感覚」と関係しています。また、毛隆起ことバルジ領域は、育毛のみならず、さまざまな分野で注目されている部分です。

髪の毛はまだ十分な研究が進んでおらず、まだ分からないことのほうが多いのです。

これから研究が進めば、新たな発見が増えるかもしれません。