髪の外側キューティクルは、髪の毛全体の10~15%ほどの割合なのだそうです。

つまり残りの85~90%はキューティクル以外で、そしてその大部分はコルテックスと呼ばれる部分です。

この髪の中でも最も多いコルテックスは、髪の弾力や質感、保水力、太さ硬さ、クセや髪色といった、髪質全体に関係している部分です。コルテックスによって髪の質が決まると言っても過言じゃないでしょう。

今回はそんな、コルテックスの話をしたいと思います。

コルテックスの構造の簡単な解説

コルテックスは英語での読み方で、日本語では「毛皮質」とも言います。

英単語では「cortex」と書き、この「cortex」を日本語に訳すると「皮質」という意味です。

皮質は副腎皮質や大脳皮質など、充実している器官の表層、外側のことを言います。ちなみに中側は髄質。

なので本来は日本語のように「毛皮質」、または「ヘアコルテックス(hair cortex)」という風に呼んだほうが正確なのかもしれませんが、キューティクルと同じように「コルテックス」という言葉のほうが(特に理美容業界では)広まっています。なので当サイトでもコルテックスとして統一します。

それでは、コルテックスの構造について、簡単ではありますがご紹介していきます。

コルテックスには細胞がぎっしり

そのコルテックスは皮質細胞と呼ばれる細胞がぎっしりつまっています。

この皮質細胞は両端が細く、ひし形を長く伸ばしたような形をしており、ちょうど繊維の束のように並んで髪の中に収まっています。

ちなみに、皮質細胞と皮質細胞との間にはCMC(細胞膜複合体)があり、接着剤の役割や、水の通り道などになっています。

さらに、その皮質細胞には繊維状の組織がぎっしり

前記の皮質細胞内には繊維の束ねたようなものが数十本ほどつまっており「マクロフィブリル」などと呼ばれています。ちなみにフィブリル(fibril)とは小繊維という意味です。

そして、そのマクロフィブリルには、さらに細かな繊維状のものが数百本ほどあります。この細かい繊維状の組織のものを「ミクロフィブリル」または「中間係フィラメント」などと言います。

このミクロフィブリルの中には、それより細い繊維状のものが8本ほどあり、さらにその内の一本には、らせん状になった分子(α-ヘリックス)が2本、ロープ状に巻きついた状態になっています。

そして、これら繊維同士は複数の結合で強く結ばれており、また繊維自体はらせん状になっているため、強い弾性を持っています。

要は、繊維状の組織がいっぱいで、とても強い弾力性を持っていると理解していただいたら良いかと思います。

皮質細胞の中の繊維組織は、柔らかい物質に包まれている

このように皮質細胞には強くて弾性のある繊維がぎっしりつまっているのですが、これだけではただ堅いだけで、髪の毛本来の自由な動きはできません。

皮質細胞内にはこれら以外に非ケラチンタンパクと呼ばれるという比較的柔らかい親水性の間充物質が、先ほどの繊維状の組織「マクロフィブリル」の組織と組織の間に、まるでマクロフィブリルを包むように充満しています。

そしてさらに、そのマクロフィブリルの中には細かい繊維(ミクロフィブリル)を包むように、シスチンという成分を多く含む「マトリックスタンパク」という間充物質が充満しています。

この「マクロフィブリルを包む間充物質」と「マクロフィブリルの中にある、ミクロフィブリルを包む間充物質」の二つの間充物質は比較的柔らかく、つまり髪の毛は、『硬くて弾力があるものを、軟らかいものが包む』という構造を何重にも重ねて出来ています。

これにより髪の毛は、強い弾力があるのに自由に動ける、つまり、髪の毛特有の弾力やしなやかさを持つことができているのです。

皮脂細胞には髪の色もふくまれている

皮質細胞にはこれらの細胞以外に、髪の色に関係している細胞であるメラニン顆粒かりゅうがふくまれています。

このメラニン顆粒には「メラニン色素」が含まれていおり、それが髪の色として表れています。

本来髪の毛を構成しているケラチンは無色透明なのですが、このメラニンによって色がついています。

このメラニン色素には紫外線を吸収する効果があり、髪や頭皮を太陽の紫外線から守る役割も持っています。

皮脂細胞にも種類があり、それによって髪質が決まる

コルテックスに含まれているこれら皮質細胞は、全てが同じ性質の細胞なのではなく、違いがあります。

これらは大きく分けると「水を吸収しやすいもの(親水性)」と「水を吸収しにくいもの(疎水性)」の2種類があります。

髪の毛はこの二つの割合によって、水を吸収しやすい髪になったり、水を吸収しにくい髪になったりと、髪の吸水性が変わってきます。

また、この二種類が毛髪内で均等に配置されず、ある片側一辺に偏って存在すると、羊の毛のようなくせ毛になる原因の一つだと考えれています。

まとめ

前途しましたがコルテックスは髪の大部分をしめています。それは当然、髪の質にも大きな影響があるということです。

コルテックスの組織自体の弾力や、親水・疎水といった割合、メラニンの色や量、その他諸々の性質や状態は、そのまま、髪の弾力、しなやかさ、形状、吸水性、色など、髪の質のほとんどに関係しています。

つまりコルテックスは、その髪の毛そのもの、髪の本体であり、髪が持つ多くの特徴・役割も、このコルティクスがあってこそです。

このように複雑な構造のコルテックスなのですが、これら間充物質といった中の組織は、親水性の部分が水と一緒に流れ出たり、パーマ液などの科学的な影響を非常によく受けます。つまり、すごく弱いのです。

この弱いコルテックスを守るためにあるのがキューティクルです。

このコルテックスをしっかり守るためにも、キューティクルのケアはしっかりしていきたいものです。