パーマや縮毛強制、ヘアカラーといった理美容店のメニューに、関係が深い「アルカリ」。

というのも、これらのメニューは化学反応を利用します。髪の毛をウエーブにするのも、まっすぐにするのも、色を明るくしたり、発色したりするのも化学変化の結果です。

これらに関連して言われるのが髪に残るアルカリです。いわゆる「残留アルカリ」や「アルカリ残留」と言われるものです。

ただ不思議に思いませんか?これらは簡単に髪に入るのに、簡単には出ていかないのかな?髪に水は簡単に出入りするのに、どうしてアルカリは残留するのだろうと。

そこら辺の話をしたいと思います。

アルカリとアルカリ性とアルカリ剤

それにはまず「アルカリとは何か」を知ったほうが理解しやすいと思います。

「アルカリ」とは正確に言えば、水に溶けるとアルカリ性をしめすモノの総称です。単にアルカリと言えばそのような物質や成分であり、「髪に残るアルカリ」とは毛髪内部に水をアルカリ性に移動させる成分が残っている」ということです。

ここでアルカリ性という言葉が出てきました。アルカリ性とは水中にある水素イオンの数の違いを表した指標で、詳しくはこちらで話しています。

この「水に溶けるとアルカリ性をしめすモノ」は、パーマやカラーなどでは還元・脱色・染毛などに大きく関わっています。

パーマやカラーなどでよく使われるアルカリ剤

そのモノはアルカリ剤などとも言われたりし、その成分によってさまざまな特徴があります。

パーマやヘアカラーでよく使われるアルカリ剤は、次のようなものです。

  • アンモニア
  • モノエタノールアミンなどのアミン類
  • 炭酸水素アンモニウムなどの中性塩
  • アルギニンなどの塩基性アミノ酸

それぞれ刺激臭の強弱や、髪への反応の強さなどさまざまですが、だいたいは複数のアルカリ剤を組み合わせて使われます。

どうして組み合わせるかと言えば、一種類ではいろいろ問題があるからです。

例えば昔はアルカリ剤と言えばアンモニアでしたが、アンモニアは揮発性が高く、すぐ気体になります。そうするとパーマ液などのアルカリ性が変化してしまうのです。

そうした変化を防ぐために、モノエタノールアミンといった不揮発性のアルカリ剤を配合したりします。また不揮発性のアルカリ剤は刺激臭も少なく、アンモニアの強い刺激臭を軽減する効果も期待できます。

また弱酸性パーマや低アルカリパーマなどには、アルカリ剤を多量に配合しても弱アルカリ性をしめしたりする、炭酸水素アンモニウムなどの中性塩系のアルカリ剤が多く使用されます。

つまり、パーマやヘアカラーなどに使われるアルカリ剤は、その目的や用途に合わせて、複数組み合わせて使うことが多いのです。

髪への残留とアルカリ剤

ところが、このアルカリ剤の中には髪の毛に残りやすいアルカリ剤があるのです。基本的は不揮発性(アミン類)ものは残りやすいのです。

また、アルカリ剤の量が多ければ当然アルカリ剤は髪の中に残りやすくなります。

例えば、中性塩系のアルカリ剤は揮発性があり、毛髪への残留もわずかだと言われていますが、配合する量が多ければ残留する量も多くなります。

アルカリの話では、最も気になるのが残留アルカリの問題なのですが、これに関しては、アルカリ剤の種類や特徴だけで語れるものではありません。アルカリ剤だけでなく薬剤全体のアルカリ度1なども関係しくるからです。


  1. 簡単に言えば、薬剤にふくまれているアルカリ成分の量。指標なる成分(炭酸カルシウムなど)で中和になる量で表す。 ↩︎