「髪はアルカリ性より弱酸性のほうがよい」よく聞きますよね。

アルカリが髪の毛に残ったものを「残留アルカリ」などと言いますが、これがお肌の場合なら、それほど気にする必要はありません。

それはなぜかと言えば、肌(皮膚)にはアルカリ中和能という機能があるからです。

ところで、髪と皮膚は同じケラチンタンパク質でできています。とうぜん似ている所も多くあります。

ですので、皮膚にアルカリ中和能という機能があるなら、髪の毛にもそのような機能があっても、おかしくないですよね?

今回はそんな「髪の毛のアルカリ成分は中和されるのか」というお話です。

皮膚のアルカリ中和能とは?

まず、肌や頭皮といった皮膚が持っている「アルカリ中和能」についてです。

皮膚にはアルカリ性の水溶液や物質が付着しても、それを素早く(約15分から3〜4時間ほどで)中和し、弱酸性の状態に保つ機能があります。

このことを「アルカリ中和能」と言います。

これは汗や皮脂の成分が弱酸性に傾いているので、それらによって皮膚表面が弱酸性の状態に変わっていくためです。

髪の毛にアルカリ中和能はあるか?

次に、この機能が髪にもあるかどうか、ということです。

これに関しては文献や資料がありませんので、完全に推測なのですが、おそらくアルカリ中和能の機能は、毛髪表面にはあるかもしれません。

ですが、毛髪内部はない可能性が非常に高いです。

毛髪表面を中和する可能性は高い

皮膚表面を弱酸性にしているのは皮脂や汗です。

髪の表面のキューティクルには、その皮脂を運ぶ18-MEAなどがあります。

この機能が働いていると、皮脂と汗が混ざってできた「皮脂膜」が、肌のようにアルカリ中和能の働きをする可能性は非常に高いです。

ただし、18-MEAが少なくなると、この皮脂を運搬する働きは弱くなります。

毛髪内部は中和する可能性は低い

次に毛髪内部ですが、構造的に皮脂が入る可能性は低いです。

内部は基本親水性で、油脂類は入りにくくなっています。

汗は入る可能性がありますが、それだけでアルカリ中和能が働くほど通常の生活で汗が浸透するとは、ちょっと考えにくいです。

運動すれば汗もいっぱい出ますが、髪の毛がぬれるほど多量の汗をかくとなると、出てくる汗がアルカリ性に傾くと言われています。

まとめ

つまりは表面はアルカリ中和能は働くかもしれないが、内側までその機能はおよばないという結論です。

ただしこれは、ダメージのない髪の話です。髪の毛にダメージがある状態(18-MEAが少ないなど)ですと、皮脂がうまく髪の毛をコーティングしませんので、先ほどの話のようなアルカリ中和能は働かないと思われます。

そして髪の内部は、髪が健康毛であってもアルカリ中和能は働きにくいと思われます。

髪の内部までアルカリが入り、残ってしまう状況は、残留しやすいアルカリ剤を使ったパーマやヘアカラーなど、限られてはいます。

これは諸説があるのですが、髪に残ったアルカリが、シャンプーやシャワーなどで外に流れ出るまで、へアカラーで14~20日間ほどパーマネントウェーブで7~10日間ほどかかると言われています。

これも、髪の毛の内部にアルカリ中和能のような機能がないからかもしれません。