シャンプーの主成分は洗剤成分。その成分の代表的なものは、もちろん界面活性剤です。

で、この界面活性剤にも何種類かの種類があります。ものすごく大まかに分けると次の3つです。

  • 高級アルコール系
  • 石けん系
  • アミノ酸系

シャンプーの成分に興味がある方は、聞き覚えがあると思います。そうです〇〇系シャンプーという風に言われているものです。

これらはシャンプーに使われている界面活性剤の成分の特色から、この3つに分けていたのですが…。

ですがこれ、ひと昔前の話です

今はシャンプーの界面活性剤も多種多様。このようなジャンル分けだけでは難しくなるほど種類が多くなっています。

今回はこの〇〇系シャンプー、つまりシャンプーに使われている界面活性剤の種類についてのお話です。

シャンプーの成分について、当サイトのスタンス

最初に記しておきますが、当サイトでは基本的に表示成分だけでシャンプーの品質の判断は不可能という立場です。

なので、今回の記事にでる成分の話、特に洗浄力や刺激性などは同量程度の比較です。実際はどのシャンプーにどれだけ配合されているか分かりません。

たとえ成分的に洗浄力が弱くても、そのシャンプー剤に多量に含まれていれば洗浄力は高くなる、ということです。

成分名は頭皮や肌への刺激性の判断材料としては役立ちますが、洗浄力の判断材料としては参考程度にしかならないのです。

シャンプーの効果には髪を洗う洗浄力もふくまれます。なので、表示成分だけでシャンプーの性能・品質を判断することはできない、という考え方を当サイトでは採用しています。

関連記事:
シャンプーを解析サイトだけで判断するのはキケンかもしれない

石けん系・高級アルコール系・アミノ酸系のシャンプーの違い

先程も書きましたが、昔は「高級アルコール系シャンプー」「石けん系シャンプー」「アミノ酸系シャンプー」と大きく別れていました。参考までにこの3つの説明をします。

石けん系

まずは石けん系です。というのも石けんが最も古くて歴史ある界面活性剤で、いわば洗剤の元祖。

石けんは化学的には「高級脂肪酸の塩」のことです。工業的には「動植物の油脂から製造された界面活性剤」のことです。

高級脂肪酸の「高級」とは品質の善し悪しではなく、化学的な話で「炭素原子の数が多い」という意味です。つまり「炭素が多い脂肪酸」のこと。脂肪酸は天然の油脂やロウの主要成分のひとつです。

そして「高級脂肪酸の塩」の「塩」とは塩基(アルカリ性)との中和反応によって生じる化合物のこと。脂肪酸は酸と付くように酸(酸性)です。

つまり、動植物の油脂(または高級脂肪酸)とアルカリ剤を反応させて作られた界面活性剤のことで、それを使って作られたシャンプーのことを石けん系シャンプーといいます。

成分名では基本「カリ石ケン素地」や「純石けん分」などと記されます。

高級アルコール系

高級アルコールの「高級」とは高級脂肪酸と同じように「炭素の数が多い」ことを言います。つまり「炭素原子が多いアルコール」。ちなみにアルコールは何かと簡単に言えば、消毒用アルコールやお酒のことです(簡単すぎますが)。

で、この高級アルコールは、高級脂肪酸から作られるものです。高級脂肪酸を高級アルコールに変え、そこに何らかの成分(主に硫酸)を反応させて作ります。

一例で言えば、ヤシ油やパーム核油から作られる「ラウリン酸」から作られる高級アルコール「ラウリルアルコール」を「硫酸」と反応させ、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ NaOH)で中和させると、評判が悪い「ラウリル硫酸ナトリウム(ラウリル硫酸Na)」になります。

今はその評判の悪さからラウリル硫酸ナトリウムはほとんど使われていませんが、ラウレス硫酸ナトリウムなどシャンプーの界面活性剤として使われているものは非常に多くあります。

アミノ酸系

先程の「高級アルコール系と硫酸」といった感じで「高級脂肪酸とアミノ酸」を反応させて作られる界面活性剤を、アミノ酸系の界面活性剤と言います。

ここで使われるアミノ酸は、アミノ酸以外にも低分子のポリペプチドなどが使われることがあります。

ですが、高級脂肪酸が使われるのは変わりありません。なので「高級脂肪酸とアミノ酸(または似た成分)を反応させて作られた界面活性剤」のことを総じて「アミノ酸系」と呼ぶようになったようです。

まとめ

要点をまとめれば製造するときに使われるものが。

  • 天然油脂か高級脂肪酸のみ
  • 高級アルコール+硫酸など
  • 高級脂肪酸+アミノ酸など

という風な違いがあります。

これは余談ですが、さらに古い時代ですと「石けん系」「石油系」「高級アルコール系」の3つに分類されていました。

石けん系と高級アルコール系は変わりませんが、石油系とは主にABS(分枝鎖型アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム )やLAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)などを使ったシャンプーのことです。

これら石油系は原料が石油から作られた界面活性剤で、この時代の界面活性剤は「原料が石油」「原料が天然油脂(高級脂肪酸)」「原料が高級アルコール」と、原料の油脂の違いで分けられていたのですね。

この内の石油系(ABSやLAS)ですが、これらはさまざまな問題のため、現在は使われることはありません。

それと、家庭用品品質表示法で洗濯用洗剤や台所用洗剤で石けん系は「石けん素地」などと成分表示が決まっており、それ以外の界面活性剤は合成洗剤(合成界面活性剤)と分けたりもします。

シャンプーの成分表示は薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)によって決められていて、上記のものとは違うのですが、それでも界面活性剤の違いから、石油系、高級アルコール系を合成界面活性剤、つまり「合成シャンプー」と差別化している場合もあります。

またアミノ酸系ですが、当時にはすでにアミノ酸系界面活性剤とその製品もあったようです。ですが、かなり高価で、今より流通量は少なかったようです。

まとめ

ちょっと脱線しましたが、要は今までの〇〇系シャンプーというのは使われる油脂の違いが大きかったのです。

ですが時代は進み、最近では研究の成果、技術の向上によって、洗浄力が強いと言われていた高級アルコール系でもマイルドなものも出てきたのです。

つまり、この分類分けでは分けられないほど種類が増えてきたのです。

次はその最近の界面活性剤の種類について話したいのですが、続きはまた別の機会に話したいと思います。

※参考・引用記事
石けん - Wikipedia
合成洗剤 | 消費者庁