インターネットでは周期的に話題となるネタがあります。その中のひとつにシャンプーの頻度の移り変わりという内容がありす。

100年ほど前、20世紀前半では、シャンプーの頻度は週一や月二回だったのです。もっとさかのぼれば1カ月に一度や、それ以上の頻度です。

シャンプーを每日のようにするようになったのは、実は最近です。朝にシャンプーをする「朝シャン」が流行したのも1987年頃の話で、新語・流行語大賞(新語部門・表現賞)に選ばれています。

同時に、このように頻繁にシャンプーすることに対する疑問も生まれています。

例えば、界面活性剤という化学製品を使ったシャンプー剤を、每日のように使うのは大丈夫なのか、という話です。その流れで「ノー・プー」または「湯シャン」といったシャンプー剤をできるだけ使わないようにする方法も話題になっています。

本当のところは、いったいどうなんでしょう。それらの情報を集め、シャンプーの頻度や回数について、じっくり真剣に考えてみました。

シャンプーの頻度や回数を考える

シャンプーの洗う頻度や回数などを考えるとき、何を基準にしたら良いかといえば、やはり「頭髪を洗う目的」です。

洗髪の目的は、臭いや雑菌の繁殖など衛生管理の目的が基本です。衛生(えいせい)とは「健康を守り、病気の予防をはかること」であり「清潔に保つこと」です。

つまり、髪や頭皮の衛生の観点から「どのラインで洗髪するのがいいか、またはしてはいけないのか」ということです。それによって、シャンプーの頻度、回数、方法が変わってきます。

このことに関しては皮膚科の先生など専門の方々が、「三日に一回」ぐらいで良いと意見をのべています。このことは、これらのサイトに書かれています。

なぜ三日に一回なのか

この「三日に一回」の根拠として書かれていることに、どちらの記事も常在菌のことに触れています。

ここで言う常在菌は簡単に言え皮膚の表面上に人と共存している菌たちのことです。ちなみに腸内細菌も常在菌です。この常在菌は皮脂を乳化させたり弱酸性にしたり、病原菌から体をまもってくれたりします。

常在菌は、皮脂内に住んでいるため、お風呂やシャンプーなどで皮脂と一緒に洗い流されてしまいます。調べたところ、洗髪をすれがお湯だけでも90%ほど、シャンプー剤や石けんを使えば95%近くの常在菌が洗い流されると言われています(常在菌は皮脂と毛穴の中にいるので、たぶん皮脂がこれぐらい流されるのだと思います)。

失った常在菌は残った常在菌が再び増殖して元の数に戻るのですが、元に戻る前に洗ったりすると常在菌の数はさらに激減。これを繰り返せば常在菌のバランスが崩れ、さまざまなトラブルの原因になるそうです。

常在菌が元に戻る時間

では、この常在菌が元の状態に戻れば、洗ってもいいということです。つまり、常在菌が元に戻るまでの時間を正確に分かれば、シャンプーの頻度が見えてきます。

ですが、これがちょっとまちまちなのです。

30分から2時間ぐらいというのもあれば、12時間や一日をかけて元に戻ると言っているところもあります。

水での洗顔で皮膚表面の細菌はほとんど流れ落ちてしまったかのように見えます。 しかし、通常は毛穴の中などに残っていた菌がすぐに増え始め、30分から2時間ほどで元に戻ります。

引用元:常在菌について - ドクターズオーガニック

石けんを使うと、一回の手洗いで、皮膚常在菌の約90パーセントが洗い流されると報告されています。ただし、1割ほどの常在菌が残っていれば、彼らが再び増殖し、12時間後にはもとの状態に戻ることもわかっています。

引用元:“手を洗いすぎる"と風邪を引きやすくなる (2/4) | プレジデントオンライン

常在菌は、シャワーを浴びるだけで80%近くが、お風呂に入るだけで90%近くが、さらに洗うことで95%近くが洗い流されていなくなってしまうと言われています。 しかし、常在菌は人間と共生したいがために、運良く残ったった5%が必死の思いで1日をかけて仲間をやっとこさ増やして元の数に戻しているのです。

引用元:洗髪の回数を減らしたら、頭臭が少なくなりました - 五味クリニック

(太字は強調目的で、筆者が独自に追加しました。)

このように元に戻る時間に違いがあるのは、常在菌(皮脂)の摂取場所(手や頬といった違い)や時期や年齢、性別や環境など、いろいろ考えられます。

これらを見れば「三日に一回」というのも、なんとなく分かります。これだけ個人差があれば、常在菌の戻る時間からみて一日一回の洗浄でも不安があります。

また、海外の人は三日で一回ぐらいでも髪や頭皮のトラブルが増えたなどの報告はないそうです。そのあたりも参考にしているのかもしれません。

それでも「三日に一回」の科学的な根拠がまったく見当たりません。どこかにあるのでしょうか?

それに、これらの情報は主に皮膚の情報です。皮膚と頭皮は基本的には同じですが、頭皮は毛穴の数と密集度が大きく違います。

それに髪は皮膚より油脂類との結びつきが強いのです。つまり髪は皮膚より皮脂が落ちにくい。

それを考えたら、これら皮膚の情報と「同じ」としても良いのかどうか、正直、分かりません。つまり、よく分からないのです。

とはいえ「常在菌は一日をかけて元に戻る」ということらしいので、逆に言えば「皮膚の状態は一日あれば元に戻る」と言えます。洗い過ぎなど頭皮に何のトラブルもなければ、一日何もしなければ元にもどるとも言えます。

頻度や回数は、どれぐらいが最適か?

結局の所、シャンプーの回数はその人次第と言えます。つまり、人の数だけ適したスタイルがある。

それに皮膚科の先生方によると「每日洗う必要はない」と言っていますが、「洗ってはいけない」とは一言も言っていません。衛生環境を保つためには、洗髪は必要なのだということです。

皮膚科の先生方の話を見ると、回数を減らすというのは頭皮に問題を生じている方の悩み対する解決策の一つです。前述のリンク先にも、このように書かれています。

シャンプーが大好きでとにかく毎日洗いたいあなたや、脂性で毎日洗髪が欠かせない方を批判しているのではありません。疲れて毎日のシャンプーも負担だとか、頭皮がかさかさでかゆいのがシャンプーのせいと気がつかない人までが、毎日洗わされている現状がおかしいと思っているのです。自分の頭皮を観察して、自分の生活の現状に合わせて、適正なシャンプーの回数を見つけてみてはいかがでしょうか。

引用元:シャンプーは3日に1回で - にいざわ皮ふ科

つまりその時、その個人に合ったシャンプーの方法や回数が大事だということです。これはその人の体質、環境、性別、年齢、仕事、ライフスタイルなどなど、それぞれによって変わってきます。

またシャンプーは、私たちの生活に非常に密接に関係しています。そのため「考え方」や「思想」や「ポリシー」なども関係してくることもあります。「自然環境のために界面活性剤は使わない」などとかです。

そうなるともう、何が1番で何が良いとは決めつけにくい。なので「これが正解」と断定することは非常に難しいのです。

そこで今回は、この集めた情報をまとめ、いくつかの項目に分けました。シャンプーの頻度や回数の選択に、お役立ててください。

【その1】シャンプーは一日一回でも大丈夫

洗浄した常在菌が元の状態に戻るのには、一日ぐらいかかります。ということは、特別何の異常がなければ、一日一回程度ならシャンプーしても構わないということです。現に每日シャンプーしている人を何百人も知っていますが、それら全ての人の髪や頭皮に異常があるようには見えません。

よくシャンプーの洗浄力などの話も聞きますが、上記のように一日で戻るなら、常在菌に限ってはどんな洗浄力でも大差ありません。

それに最近のシャンプーは品質も良くなり、洗浄力もマイルドになってきています。なので頭皮にかゆみなど異常が出ない限り、あまり気にしなくていいかもしれません。

【その2】二、三日に一回でも良い

とは言っても、その人ごとの体質でいろいろあるのが髪や頭皮です。皮脂の分泌量や頭皮の状態によっては每日するのはしんどいこともあります。また疲れている日や「めんどくさい」と感じる日もあるでしょう。

皮膚科の専門医の方々は二、三日に一回でも構わないといっています。どちらかと言えば、こちらのほうが良いような内容です。

という訳で、每日洗わなくても大丈夫です。ニオイや髪のベタつきが気になる場合は、先ほどの先生の記事にも書いていますが、間の日に湯シャンなどして抑える方法もあります。

【その3】湯シャンなどでも良い

自然環境や体のことを思って温水シャンプー、つまり「湯シャン」といったノーシャンプー(いわゆるノー・プー)も良いと思います。筆者である私も、二、三ヵ月ほど湯シャンで過ごしたことがあります。

「シャンプー剤を使わない」ということでは、もっと選択肢があります。小麦粉シャンプーや重曹シャンプーなどいろいろあります。ただしこれらは情報がけっこう多く、間違えば逆に髪や頭皮に悪影響を与える場合も考えられますので、情報の選択には注意してください。

また、湯シャンといっても全ての人に合う訳ではなく、皮脂を過剰分泌する体質の人など、体質や仕事などで合わない人もいます。ニオイも常在菌が繁殖すればニオイはしなくなると言われていますが、こういうのは個人差があるので、全ての人がそうだとも言い切れません。

ちなみに私が湯シャンを止めたのも、そのニオイを指摘されたからです。それに湯シャンで有名な芸能人の方々も、全て湯シャンだけですましている訳ではなさそうなので、湯シャン自体もやり方・使い方がいろいろあるようです。

【その4】一日二回以上は注意

ただ、晩にお風呂で洗って、朝もシャンプーするといった「朝シャン」など、一日に二回以上シャンプー剤で洗うのは、さすがに洗いすぎです。

医学的にも常在菌が元に戻る前に洗浄するので、あまり良いとは言えません。

この場合、洗い方(夜は湯シャンで朝はシャンプー使用など)を工夫したりすれば頭皮や髪にも負担は少なくなるので、いろいろ工夫すると良いでしょう。

ヘアダメージについて

今までは頭皮に対する問題でしたが、洗髪のもうひとつの目的、髪の毛のことも考えなければなりません。

とはあえ、こちらは非常にシンプルで、回数が多いほどヘアダメージを受けると言えます。

洗髪をすると髪は大なり小なりダメージを受けます。髪のダメージは引き算だからです。

ですが、洗い方を工夫すれば、ダメージを極力おさえることができます(洗い方については当サイトでもお話しています)。

ただそれでも、理屈上はヘアダメージは避けられません。ですので、髪の傷みに関しては「するほど増える」と覚えておいてください。

まとめ

医学的な意見では「皮脂の常在菌は一日かけて元の状態に戻る」ということです。

これにその人の髪質や体質、年齢や環境、ポリシーやライフスタイルなどなど、さまざまなものが加味されます。

そして、それらは、使う道具(シャンプー剤など)や洗い方によって、いかようにも調整できるのです。

極端な話、平日は一日一回シャンプーをして、休日は湯シャンという方法でもいいのです。お顔のメイクでは「週に一度休ませる」というのをよく聞きます。この方法はそれの髪の毛版です。

最適なシャンプーの頻度は自由です。自分にとって最適なシャンプーの頻度や回数を、自分なりに見つけ、導き出していけばいいと思います。

今回のお話は以上です。何かの参考になれば幸いです。