日本は海で囲まれています。海と言えば海水浴やサーフィンです。楽しいですよね。

ですが、海から上がった後は、だいたいは髪がパサパサ。それもそのはず、海はどうしても髪が傷んでしまうのです

どうして海ではこんなに髪が傷むのでしょうか?今回は海と髪のダメージについてのお話です。

海水の成分とpH値

まず、なぜ海では髪がダメージを受けやすいのでしょうか? その鍵となるのが、海水の成分と pH です。

海は、その大部分(約96.6%)が水ですが、それら以外(約3.4%)の成分は塩分と呼ばれて言います。

塩分といっても、私たちがよく知っている塩(食塩)ではありません。海水には地球上のすべての元素が溶けているので、食塩以外の成分もふくまれています。

実は食塩自体も「地上の塩分が溶けて海に流れ込んでいる」わけではありません。単に海に溶けているナトリウムイオン(Na+)と塩素イオン(Cl-)が結合し塩化ナトリウム(NaCl)、いわゆる食塩になるのです。

この塩化ナトリウム(食塩)は海水の成分の8割近く(78%)もあります。だから海はしょっぱいのです。

単純に食塩だけなら水は中性になるのですが、海水には食塩以外にも2割程度(22%)他の成分が混ざっています。

それら成分全てを合わすと pH値は約8.1程度になります。なので、海の pH は弱アルカリ性を示すのです。1

海でのヘアダメージの原因

つまり海水で髪がぬれると、髪の毛がアルカリ性に傾き、髪の結合が弱くなります。

ですが、これだけではダメージを受けません。ただダメージを受けやすい状態だと言えます。

これが少しの時間なら問題ないでしょうが、海水浴やサーフィンなど、海水で髪がぬれることの多くは長時間、海水で髪がぬれた状態です。

つまり、非常にダメージを受けやすい状態が長時間続くのが、海でダメージを受けやすい原因の1つだと考えられています

弱っている髪を襲う、強力な紫外線

この状態で問題となるのが日光、つまり紫外線です。

紫外線が髪や頭皮に与える影響はバカにはできません。特に強くなる夏は気をつけたほうがよく、秋口に抜け毛が多くなるのは夏の強い日差しが原因だとも言われています。

その紫外線が、海では海水面の照り返しや影となる障害物がないため、通常より紫外線量が多くなります

しかも、先程の話のように髪の毛は海水によってダメージを受けやすい状態。そこに、いつもより多くの量の紫外線があたります。

この状態では考えるまでもなく、髪はダメージを受けてしまいます。

紫外線以外の要因

この「海のアルカリ性」と「強い紫外線」が、ダメージの大きな原因だと思われます。

これら以外にも言われていることがありまして、それが以下の2点です。

  • 海水の金属イオン
  • 夏の強い日差しからの熱

これら以外にも、まだはっきりはした根拠はないのですが、海水の塩分による浸透圧も、髪がもともと持っている髪に必要な水分(結合水)に何らかの影響を与えているとも言われています。

海でダメージを受ける原因は、ほんとうのところ全てが解明されている分けではありません。正直、まったく分かってないと言ってもいい。

ですが多くのサーファーが髪にひどいダメージを持つように、海に関わることでヘアダメージはついて回るものです。

つまり海は、髪に非常にダメージを与えやすい環境だと言えるのです。

海でのヘアダメージ対策

このように髪の毛は海ではダメージを受けやすい場所なのですが、海水浴やサーフィンは楽しいですよね。

ですので、海を楽しみながら、髪のダメージをできるだけ防ぐ方法をいくつかご紹介します。

なるべく海水に触れない

海水は髪にさまざまな影響を与えますので、根本的に髪が海水にあまり触れなければ、影響を受けにくくなります

つまり、髪が海水にできるだけぬれさせないように工夫します。これだけでも海でのダメージを軽減できます。

この対策としては、いくつかの方法があります。

帽子を被る、髪をアップする

簡単でお手軽な方法としては「帽子をかぶる」、「髪が長ければアップする」などがあります。つまり直接海水に触れないように工夫します。

ちなみに帽子は、紫外線対策としても有効です。

スイムキャップをかぶる

泳いだり潜ったりする場合は、プールのようにシリコン製のスイムキャップをかぶるのが有効です。

このとき髪を真水(水道水)で先にぬらしてかぶると、さらにダメージを軽減する効果が期待できます。

保護剤を髪に塗る

海水や紫外線からの保護用にアウトバストリートメントやヘアオイルなどを髪に付けるという方法もあります。

ただし、この方法には2つほど注意点があり、1つは保護剤が付いた髪で海水に入ると、これらの成分が海水中に溶け出し、海を汚してしまう心配があることです。

近頃はこれら化粧品の成分も、自然分解できるものが増えてきたのですが、気になる方もおられると思います。これは個人の判断におまかせします。

もう1つは、海水浴後はよく洗うということです。

これらは製品によっては、髪に余分な成分が付着します。不必要な成分は、海とは別の所でヘアダメージの原因になりかねません。

ですので、海からあがり、髪を保護する必要がなくなるなったら、しっかりシャンプーなどして洗い流してください。

夏の日差し対策もしっかり

ならば海に入らず浜辺にいたらいいかといえばそうでもなく、海の近くは海面からの照り返しなどで紫外線量がとても多いのです。

それに近年は環境の問題で、昔にくらべて紫外線量も増えています。

たとえ海に入らなくても、強烈な日差を防ぐため何らかの対策もとっておいても損はありません。

おすすめは先ほどご紹介した帽子や、UVカットスプレーといった紫外線防止効果を持つ化粧品やアイテムです。ただし髪に化粧品などを付けるときは、先ほども書きましたが海水浴後はしっかり洗い落としたほうがいいでしょう。

あと、パラソルやサンシェードテント(ビーチテント)などで直射日光を避ける場所を作っておくのも有効です。これは海に入る人にも有効で、一時的でもこの中に避難しているときは紫外線から髪を守ってくれます。

海の後はよく洗う

海に入った後はだいたいシャワーをすると思うのですが、そのとき十分すすいだり洗ったりして下さい

海の多くのシャワールームは〇分で〇〇円とお金がかかるので、水洗いだけですまさず、シャンプーでさっと洗ったほうが良いかもしれません。

シャンプーを使う使わないのどちらにしろ、すすぎは十分におこなってください。

ケアも忘れずに

海はどうしても髪を傷めてしまいます。なので髪のケアも忘れずおこなったほうがいいでしょう。

まず、海水はアルカリ性なので、毛髪表面の皮脂が少なくなっている、またはなくなっている可能性があります。ですのでリンスやコンディショナー、トリートメントを海の後は使用したほうがいいでしょう。アウトバストリートメントも有効です。

そして、さらに念を押すならアルカリ除去剤などを使用すると、海のダメージ対策として有効に働きます。

とはいえ、海のアルカリ度ぐらいならそこまで気にしなくていという話もあります。こちらも個人の判断にゆだねます。

まとめ

正直、海はダメージを受けやすい環境になっているので、ダメージを防ぐほうが難しいと思われます。

ですが、適切に対策を取れば、それなりにダメージを減らすことができます。その手助けに今回の記事が参考になれば、とても幸いです。


  1. これは海水の表面付近の pH で、海水は深くなればなるほど pH は下がり、北西太平洋亜熱帯域では水深1000m付近で約7.4と最も低くなります。(参考リンク↩︎