以前ご紹介したお話で、髪の毛に必要なたんぱく質の話をしましたが、今回はその、髪の毛によいと思われるアミノ酸スコアが高い食品を集めてみました。

特にメチオニンやシステイン・シスチンといった含硫アミノ酸、フェニルアラニンやチロシンといった芳香族アミノ酸が多いたんぱく質を持つ食べ物をご紹介します。

ただし、フェニルアラニン系の芳香族アミノ酸は、多くの食品に満遍なく入っているので、不足することは基本はないそうなのです。ですので、芳香族アミノ酸は気にしなくてもいいのかもしれません。

成分
たんぱく質12.3g
メチオニン0.39g
シスチン0.30g
フェニルアラニン0.62g
チロシン0.559g
脂質10.3g
エネルギー151kcal
生卵1個(Mサイズ2個 約100g)

たんぱく質の「質」を表すアミノ酸スコアですが、そのスコアは、時代とともに数値はまちまちです。

しかし、このスコアで常に満点を出しているのがです。世界最初のアミノ酸スコアであるプロテインスコアでは、卵を基準としているぐらいです。

参考リンク:
プロテイン・スコアーとは? -JA全農たまご株式会社-

それだけ卵、特に卵白のたんぱく質の人が摂取するのに理想的だと言われています。蛋白たんぱく質の「蛋」は鳥の卵のことで、つまり「たんぱく」の語源自体が卵白なのです。

またたんぱく質の量で言えば卵黄のほうが豊富で(同量だと卵白より卵黄のほうが多い)、栄養価やビタミンも多く高くふくまれています。

逆に卵白はカロリーや炭水化物が低く、脂質にいたってはなんとゼロです。いわばほぼ水とたんぱく質。たんぱく質だけ摂取するとすれば理想的な食べ物です。

卵白とビオチン

ただ、卵白にはアビジンという成分をふくんでいます。この成分はビオチンというビタミンと強く結合し、その影響で人体がビオチンを吸収することをさまたげるというデメリットがあります(いわゆる「ビオチン欠乏症」です)。

これはインターネットなどで一時期話題になったのでご存じの方も多いでしょうし、調べたらすぐに出てきます。

とは言っても、この健康被害が出るには生の卵白を一日10個ほど食べるという食生活を一週間から10日ほど続けていかないとなりません。このような食生活はよほど意識して行わなと現実的に起こり得ない話なので、心配する必要はないと思います。

またアビジンは加熱するとビオチンと結合する効果は失われるので、どうしても不安ならば、卵白は加熱して食べることをおすすめします。

しかも加熱した卵白は、この結合しなくなる影響で消化・吸収が良いという話です。なので卵白は加熱したほうが良いかもしれません。

たんぱく質が多い食品と言えば、やはり肉です。

牛・豚・鶏および魚といった動物性のものは、その時代でスコアの値に違いがあれど、常に高いスコアを出しています。

またたんぱく質以外の栄養素も豊富で、特にレバーにふくまれビタミンや銅・亜鉛など、髪の成長を手助けしてくれる栄養素も豊富です。

もちろん魚も良質なたんぱく質が豊富。魚の場合はビタミンやミネラル、EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)が豊富だったりします。

ただ、肉系の欠点はカロリーや脂質が多いこと。つまり、食べ過ぎると肥満と言った生活習慣病にな確率が高まります。

それでも「良質なたんぱく質」というのは間違いありません。以前のホンマでっかTVの内容をとりあげた記事でも、肉と発毛剤を併用することで頭髪環境の改善に成功したと言っている方がおられます。

動物性の脂質は薄毛・抜け毛の原因のように言われていたいた時代があって、薄毛で悩む人の中には肉類を控え植物性のたんぱく質を多くとるよう聞いた方も多いと思います。

ですが、発毛・育毛には良質なたんぱく質ば積極的にとりたいものです。

なのでカロリーや脂質が低く、それでいて良質なたんぱく質が多い食品を2つご紹介します。

鶏むね肉(皮なし)

成分
たんぱく質38.8g
メチオニン1.1g
シスチン0.45g
フェニルアラニン1.5g
チロシン1.3g
脂質3.3g
エネルギー195kcal
鶏むね肉・皮なし(若鶏 焼き 約100g)

先程の先生も「赤身より鶏肉」と言っているほど、鶏肉は良質で高たんぱく質、そして低脂質の食材です。

その中でも代表的な部分は鶏のササミ、それとむね肉です。

特にむね肉はたんぱく質の量がとても豊富。そして脂質は同量の卵(全卵)よりも少ないのです。ただし皮が付いていると脂質はぐんと上昇し、卵よりわずかに低い程度(9.1g)です。

豚ヒレ肉(赤身)

成分
たんぱく質39.3g
メチオニン1.1g
シスチン0.45g
フェニルアラニン1.6g
チロシン1.4g
脂質5.9g
エネルギー223kcal
豚ヒレ肉・赤身(大型種 焼き 約100g)

鶏むね肉と同じぐらい良質なたんぱく質が多くあるのが豚ヒレ肉です。

しかも数値だけ見ればフェニルアラニンとチロシンの芳香族アミノ酸は、こちらのほうが多い。

ただ鶏むね肉に比べて、脂質とエネルギーの値は高くなってます。

ちなみに豚ヒレと言えばとんかつですが、とんかつはもちろん脂質(25.3g)もカロリー(388kcal)も高くなります。

乳製品

牛乳とそれを加工した乳製品は良質なたんぱく質を多くふくみます。

成分
たんぱく質3.3g
メチオニン0.08g
シスチン0.026g
フェニルアラニン0.16g
チロシン0.15g
脂質3.8g
エネルギー67kcal
牛乳(約100g)

例えばカゼイン。これは牛乳のたんぱく質の約80%にあたる成分ですが、最新のアミノ酸スコア(DIAAS)では非常に高いスコアが付いています。

他の乳製品で、たんぱく質の量に関して言えば、チーズなどが高い数値を出しています。

特に飛び抜けて多いものはパルメザンチーズ。

成分
たんぱく質44.0g
メチオニン1.2g
シスチン0.14g
フェニルアラニン2.4g
チロシン2.7g
脂質30.8g
エネルギー475kcal
パルメザンチーズ(約100g)

ほかのチーズものもなかなか高く、エメンタール(チーズフォンデュに使われるチーズ)やエダムというチーズも高い値です。

ただチーズは基本、一部のチーズを除きカロリーが高く、脂質もいっぱいあるので注意が必要です。

ちなみにパルメザンといえば粉チーズを連想する方も多いとは思いますが、日本の粉チーズは「パルメザン(正式名称はパルミジャーノ・レッジャーノ)風のチーズというもので、正確には違います。

参考リンク:
パルミジャーノ・レッジャーノ#パルメザンチーズ - Wikipedia

豆類

先ほどまで動物由来のたんぱく質ですが、動物以外、つまり植物にだってたんぱく質はあります。いわゆる植物性たんぱく質です。

これらはいろんな植物にふくまれています。米や小麦、葉物系野菜にだって少量だけど入っています。

その中でメチオニンやシステイン・シスチンを多くふくむものはほうれん草赤唐辛子ニンニクなどと言われています。

そして、野菜類の中でも、高いスコアを持っているのは豆類です。らっかせいソラマメグリンピースなどなど…。そして大豆です。

大豆

大豆が高タンパク質なのは有名で、「畑のお肉」などと言われるほどです。

アミノ酸スコアでは変化が激しい食材で、初期の時代は低かったのですが、近年になればスコアも高くなっています。

その理由は含硫アミノ酸(メチオニン・システイン)が、すこし少ないのと、消化吸収の悪さです。

しかしこれは加工していない大豆の話。多くの大豆は何らかの食品に加工されていますので、このような問題はありません。

特に日本は、豆腐や納豆など大豆製品が豊富な地域です。この大豆の恩恵にあやかりやすい国でもあります。

成分
たんぱく質4.9g
メチオニン0.07g
シスチン0.084g
フェニルアラニン0.29g
チロシン0.21g
脂質3.0g
エネルギー56kcal
絹ごし豆腐(約100g)
成分
たんぱく質16.5g
メチオニン0.26g
シスチン0.32g
フェニルアラニン0.87g
チロシン0.68g
脂質10.0g
エネルギー200kcal
納豆(約100g)

ちなみにえだまめは未成熟の大豆なので、こちらもとうぜん良質なたんぱく質をいっぱい持っています。ただし納豆など大豆系には、思いのほか脂質を持っているものもあるので、その点はちょっと注意がいるかもしれません。

アボカド

一見たんぱく質などなさそうな果物ですが、実は果物にだってたんぱく質はあります

さすがに肉や豆類のような量のたんぱく質はありませんが、ものによってはたんぱく質を豊富に持っています。

含有量だけで言えばドライフルーツ系が多いのですが、生のもので注目するべき果物はアボカドです。

成分
たんぱく質2.5g
メチオニン0.045g
シスチン0.044g
フェニルアラニン0.1g
チロシン0.073g
脂質18.7g
エネルギー187kcal
アボカド(約100g)

ドライ系のものを除けば果物の中では、アボカドはたんぱく質の量と質が、他のものと比べて頭一つ高い値を持っています。さすがは「世界一栄養価の高い果物」としてギネスブックに認定されてるだけはあります。ただし脂質も多いので、食べ過ぎには注意です。

次点としては、スーパーで手軽に買えるキウイフルーツ(緑肉腫、たんぱく質 1.0g 含硫アミノ酸 0.05g)でしょうか。あとココナッツミルクもたんぱく質(1.9g)や含硫アミノ酸(0.073g)の含有量が多くあります。

まとめ

このような感じです。思ったより多くの食品にたんぱく質がふくまれていて、びっくりしますね。

これだけ多くの食品にあれば、たんぱく質が不足することはそうそうないと思いますが、じつは以前の別の話のように、たんぱく質が不足ぎみな人がおられるデータも出ています。

これは推察するに、偏った食生活が大きいように思われます。

例えば即席めん。これらのたんぱく質は100g中に8〜10gです。だいたい一袋で量が60gで、たんぱく質がだいたい5~6gなので、三食即席めんですとぜんぜんたんぱく質が足りません。

これに小食傾向も拍車をかけています。なるほど、このような食生活なら、たんぱく質が不足しても納得です。

良質なたんぱく質を取れば髪の毛が生えてくるという訳ではありませんが、髪を作るのには絶対必要な栄養素です。要は髪をつくる材料。これが十分にないと髪の毛も当然作られません。

厚生労働省の国民栄養調査から単純に計算すると、たんぱく質が足りてない人の場合、成人男性なら7〜8g程度、成人女性なら6g前後ほど多くたんぱく質を摂取するだけで、多くの人が成人で必要なたんぱく質摂取量(男性60g、女性50g)に届きます。

この量は納豆1パック(45gでたんぱく質7.4g)、牛乳1杯(200mlでたんぱく質6.6g)などで十分近づける値です。

必要なたんぱく質量は体重や運動量などで大きく変わりますので、こんな単純な話ではないでしょうが、つまりは日頃の食事でちょっと意識して、一品ほど良質なたんぱく質の食品を摂取するだけでも、十分改善が期待できる範囲になると思います

引用・参考URL
食品成分データベース